大手Webマガジン 「B-plus」に掲載されました
仕事を楽しむためのWEBマガジン「B-plus」2014年4月号の "経営者インタビュー" で、弊社社長と女優の川上麻衣子さんの対談記事が掲載されました !
掲載内容全文は以下の通りです。
プロフィール 神奈川県出身。少年期から英語に興味を持ち、大学では英語を専攻。卒業後は船会社に入社して外国人と接する仕事を通じ、英語力も磨く。退職後に掛軸販売の寿楽堂(株)を設立。英語のホームページを開設し、広く海外に日本の伝統的美術品である掛軸を販売している。
日本の掛軸を海外に販売するという、ユニークな事業を展開している寿楽堂株式会社。代表取締役の下田寛之氏は、得意の英語力を生かして独立。日本の文化を世界に広めたいと奮闘中だ。そして掛軸の次に下田氏が手がけようとしているのは、「包丁」の販売。切れ味のいい日本の包丁は、世界中で人気が高まっているという。職人の技が大好きという下田氏に、海外を相手にするビジネスのやりがいや成功の秘訣などをお聞きした。
英語のホームページで掛軸を海外販売
川上 寿楽堂さんは掛軸を販売していらっしゃるそうですね。
英語のホームページをつくり、海外の方をお客様にしているところがユニークです。
きっと下田社長は英語がお得意なんでしょうね。
大学も英語学科を卒業しました。 川上 なるほど。学生時代の勉強が今のお仕事に役立っているんですね。
それにしても、なぜ掛軸を販売するお仕事に就かれたのかが気になります。
大学を卒業してからはどんな経験を積まれたんですか? 下田 卒業後は英語力を生かして海外とやりとりする仕事がしたいと思い、船会社に就職したんです。
船長と電話で交渉したり海外の代理店と通信したり、外国人とコミュニケーションをとる仕事で、やりがいはありました。
ところが、事情があってその会社を辞めることになってしまいまして。
しばらく家でのんびりとしていたのですが、ゼロから何か新しいことを始めようと考えて、海外向けの掛軸販売を思いついたんです。
実は私、英語だけでなく日本の歴史や文化も大好きなんです。
それでその知識と英語を活用して何かができないかと考えたところ、掛軸のことが頭に浮かびました。
掛軸の知識があって英語もできる人というのは、なかなかいないだろうから、きっとうまくいくと思ったんです。
日本の文化「掛軸」を世界中に広めたい!
求められているのは日本文化
川上 少し気になったのですが、日本国内では掛軸を集めたり鑑賞したりするのが好きな方ってさほど多くはないと思うんです。
外国の方の掛軸に対する反応というのはどうなんですか?
掛軸もけっこう受けがいいんですよ。
掛軸を販売して、より感じるようになったのは、外国人のお客様は掛軸を通して「日本の文化」を求めていらっしゃるのだということです。 川上 そうか! よくわかるお話です。
私はガラスデザイナーとしての活動もしていて、そちらの仕事を通じて実感したのですが、海外の方って日本語で書かれたサインや文字の雰囲気そのものを楽しむ方がけっこういるんですよね。
たとえば、平仮名の「あ」という文字を見て喜ぶ人をヨーロッパで見たことがあります。
きっと掛軸を購入される方も、掛軸を通して日本文化が持つクールさを感じ、そこに興味を持ってくださるんでしょうね。 下田 そう思います。掛軸そのものが持つ日本的雰囲気と、そこに描かれた日本的な絵画や書道の文字。
掛軸は、自宅の部屋などに掛けて手軽に楽しめますから、クールな日本を身近に感じられるものなのではないでしょうか。 川上 描かれている絵も、サムライや富士山など、日本を象徴するものも多いですからね。
それにしても下田社長は、掛軸の知識をどこで学んだのでしょう。 下田 この仕事を始めようと思いついてから独学しました。 川上 そうなんですか! それは意外です。
では、その点では、まさにゼロからのスタートだったんですね。
掛軸を海外に販売する業者は他にもあると思うのですが、他社と寿楽堂さんの違いはどういうところにあるのでしょう。 下田 当社のサイトはクレジットカードが使用できますし、商品の閲覧ページもきちんと整理して見やすくしてありますので、ご希望の掛軸を探しやすくなっているんです。
お客様の目線で他社さんと比べた場合、より快適に、商品の閲覧やショッピングを楽しんでいただけると思います。 川上 ホームページもご自分でつくったそうですが、作成の知識はあったんですか? 下田 いえ、それについても全く知識がなく、ゼロからのスタートでした。
今から思うと、最初はサイトの構造もメチャクチャでしたね(笑)。
マイナスの情報も掲載し安心感を出す
川上 ホームページも独学なんですか。
下田社長のチャレンジ精神はすごいですね!
そこで、あらためてお客様の立場になって考え、改善すべきことを抽出しながら、サイトをつくり込みました。
たとえば、この掛軸にはどんな絵が描かれているのかという説明や、画家や書家の経歴などを英語で詳しく掲載するようにしたんです。
取り扱っているのは中古品が多いので、染みや汚れがある場合はそうした情報も余さず掲載するようにしたら、だんだんと注文の数が増えました。 川上 買った後でがっかりしたくないですから、たとえマイナスの情報でも事前に知っておけるほうが安心できますよね。
いろいろと苦労がありながら、事業を安定させてきたのだと思いますが、会社勤めをしていた頃と今では、仕事への取り組み方もずいぶん変わったのではないでしょうか。 下田 確かに大きく変わりましたね。
私はどちらかというと、物事に対して受け身なタイプで、会社員の頃は周囲や上司の言葉に流されるまま仕事をしていました。
でも、起業後は全て自分で考えて動く必要がありましたから、仕事に対する意識が前向きになって責任感が生まれました。
人間的にも成長できているので、独立して本当によかったと思っています。 川上 きっと、お仕事を通じてやりがいを感じる機会も多いと思います。
下田 はい。中でもやはり、お客様から「満足した」とか「素晴らしい軸だった」と、お褒めのメールをいただいた時が一番ですね。
日本のことをもっと海外の人々に知ってもらいたいとの思いで独立しましたが、仕事内容的にはメールでのやりとりや商品発送など、事務的な作業が多いのが現実です。
ですから、ご購入いただいた商品に対して、わざわざ感想を返していただけると、ものすごく嬉しいんです。
その瞬間は、日本の文化を広めることに自分も少し貢献できたのではないかという喜びがありますね。
それに、日本人にとってはあまり魅力がないと感じてしまうような掛軸でも、海外の方に価値を見出されることがよくあるんです。
日本であろうと海外であろうと気に入って使ってもらえれば、掛軸自身も喜んでくれるだろうと、嬉しくなりますよ。
日本のよく切れる包丁を海外に広めたい
川上 今後についてお聞きしたいのですが、新たな展開などは考えているんですか?
下田 はい、実は包丁を海外に販売するための準備をしているところです。日本の包丁には日本刀を製造する時の技術が使われているので、「よく切れる」と海外で評判なんですよ。
あと、製作者の名前が漢字で刻印されている包丁などもあったりして、それが外国の方には日本らしくてクールに見えるらしいです。 川上 掛軸をクールに感じるのと同じような反応があるなら、期待できそう。包丁の販売も順調に伸びるといいですね。 下田 いち早く軌道に乗せたいですね。現在は仕入れ先がまだまだ少ないので、問屋さんを探している最中です。
「日本製の素晴らしい道具を世界に広める」という気持ちに賛同していただける問屋さんを見つけたいですね。 川上 掛軸といい包丁といい、下田社長は日本の歴史や文化を感じさせる物などが本当にお好きなんですね。 下田 職人さんがこだわりを持ってつくるものに思い入れがあるんです。
やはり心を込めてつくり上げた品物は、使い勝手もさることながら、魅力が全然違いますよ。
これからもそういう品を探し続けて、海外にどんどん広めていきたいと思います。 川上 いろいろなことにチャレンジしてらっしゃるのは、海外に日本の文化を広めたいという思いがあるからだと思います。
では、そうした思いを行動に移す、原動力になっているのはどんなことなんですか。 下田 子供の頃見た洋画に、「人生は向こうからやって来ない」というセリフが出てくるんです。
「自分の人生は自分でなんとかしろ」という意味ですね。
この言葉は今でも心に残っていて、私の心の支えになっています。
その気持ちこそが私の仕事の原動力だと思うので、それを忘れることなく頑張りたいですね。 川上 いい言葉ですね! 人生は偶然で決まるのではなく、自分で切り開くもの。
一見すると偶然のような出来事でも、必ずそこに至るまでに必然の積み重ねがある。
きっと強い気持ちを持ち続ける人にだけ、素晴らしい偶然が訪れるものなんだと思います。
下田社長にとって以前の会社を辞めたことは偶然だったとしても、掛軸販売で独立したのは必然だったのかもしれません。
これからも偶然を必然に変える強い気持ちを持ち続けて、挑戦を続けてください! 下田 頑張ります!
最後に質問。「仕事を楽しむ」とは…
問題は常に生じてくるものですが、そこで必ず解決策を考えて実行し、ものごとが前進した時に楽しさと喜びを感じます。(下田寛之)
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