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掛軸について




掛軸の歴史

平安美人

金閣寺

織田信長

江戸城櫓

東郷平八郎大元帥
平安時代 (794 - 1192)
日本の掛軸の最も原型となる様式は中国から渡来しました。中国では晋の時代頃、仏教系の絵画が布教の為に多く描かれ、それらの絵画は持ち運びの際の破損を避けるために、巻物に加工されるようになりました。そして唐の時代頃には、現在に近い表装の形式が用いられるようになりました。我が国には平安時代、藤原氏全盛の頃に、このような表装の形式が伝わったとされ、曼荼羅図などの仏画に表装が施されるようになりました。




室町時代 (1334 - 1573)
この時代に、我が国の建築様式は独自の発展を遂げ、「床の間」が室内の中心的装飾空間であると考えられるようになりました。「床の間」という空間の概念は、他の国に類を見ない、日本独特のものです。そして、床の間には装飾品として掛軸が掛けられました。床の間とは、決して別格の施設ではなく、芸術と生活を結びつける、日常的な空間だったのです。



安土桃山時代 (1573 - 1600)
言うまでもなく、この時代を代表する人物は織田信長と豊臣秀吉です。彼らは非常に茶の湯を好んだ為、茶の湯は大流行しました。茶の湯は通常、床の間で行われました。そして、茶の湯のスタイルの確立とともに、床の間様式もまた発展し、そこに飾られる掛軸もより精練されたものが用いられるという好循環を生んだのです。掛軸については、季節、客によってふさわしいものを掛けることが重要視されました。



江戸時代 (1603 - 1868)
この時代は大きな戦がほとんど起こらず、全般的にみて平和な時代だった為、様々な文化が爛熟期を迎えました。多くの絵師たちが活躍し、掛軸も庶民の間に一段と普及しました。




明治時代以降 (1868 - )
明治維新以降、職業の選択が自由となったためか、より多くの絵師たちが腕を競い合います。また、第二次大戦前までおよび戦後しばらくの間、日本画はほとんど掛軸にして楽しまれてきました。このような理由から、私たちは現在、非常に質の高い掛軸を身近に多く見ることができるのです。




掛軸のお取り扱い

掛軸は良質の和紙と表装用裂地・糊を用いて作られています。従って、特に湿気と過度の乾燥を嫌います。

1. 冷暖房の効き過ぎた部屋や湿気の多い所に掛けないでください。

2. 湿気の少ない場所に保管してください。

3. 年に2回、春秋の晴れた日に虫干ししてください。

4. 長い間掛けたままにせず、時々巻き収めてください。

5. 掛け外しの時、折れないように注意してください。

6. あまり堅く巻かず、適度に巻いて、紐はゆるめにかけてください。

掛軸の各部名称




風鎮

風鎮
軸先からかける重しは風鎮と呼ばれます。
風鎮は、単に掛軸の風趣を増すだけでなく、シワをとったり、風による掛軸の揺れを防ぐといった実用的な効果もあります。







桐箱

掛軸の保管には桐箱が最も適しています。
その理由としては、以下のことが挙げられます。

十分に加工され乾燥した桐材は、たいへん伸長率・収縮率が小さく、加工後もその
寸法に狂いを生じさせにくいという特性を持っています。このため、桐を使用すれば、他の木材に比べて、ぴったりと隙間のない箱を製作することが可能です。このような特性を持つ桐箱の内部は、気密性が高く、外気を遮断し、温度や湿度の変化を受けにくいということになります。この気密性の高さが、桐箱内の湿度を年間を通して一定にさせる要因となり、中のものを腐食から守ることができます。

さらに、桐の抽出成分の中には、昆虫を寄せつけない成分が多量にあります。(パウロニン、セサミン等)このことは、多少なりとも防虫効果があるということを示しています。

もう一つ、桐は国産樹種の中ではもっとも軽いにもかかわらず、ある程度の堅さも保持しているということが挙げられます。(材質の密度が薄い。)また、桐の発火点は国産樹種の中でいちばん高いので燃えにくいということも言えます。このような特性は、保存箱に加工しても運搬が容易で破損しにくく、また火事にも強いということになるでしょう。

掛軸の保存に桐箱が使われることが多いのは、桐材が以上のような多くの長所を持っているからです。





桐箱



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